免疫細胞活性化に期待

キノコ

シイタケの知られざる力

キノコには非常に多くの種類があり、食用とする種類の他にも薬用効果を持つキノコは少なくありません。アガリクスや霊芝などの高級キノコは、健康食品市場でも根強い人気を誇っています。そうした高級キノコは数が少なく貴重な存在ですが、普段の食生活で身近なシイタケも意外な効能を持っています。シイタケ菌糸体と呼ばれる部分に免疫力を活性化する働きがあるのです。ただしシイタケで普段食用としているのは、子実体と呼ばれる部分の方です。シイタケ菌糸体は子実体の母体となっている部分のことで、糸状の構造をしていることからその名があります。草木に喩えるなら、子実体は地上部分で菌糸体は根に相当します。植物は根に最も多くの栄養分を蓄えているものなのです。このシイタケ菌糸体に含まれる成分は、がん免疫療法にも使われています。健康な人でも体内でがん細胞が一定数発生しており、免疫細胞によってその都度排除されています。がんになると免疫抑制細胞が急増するため、免疫細胞の働きにブレーキがかかってがん細胞がどんどん増殖します。シイタケ菌糸体がこの免疫抑制細胞を抑えている間に、NK細胞などの免疫細胞ががん細胞を退治してくれるのです。

飲みやすさにも工夫

このように優れた効能を持つシイタケ菌糸体ですが、野菜売場で売られている普通のシイタケを食べても効果はありません。子実体の部分にはこうした免疫活性化が期待できないのです。幸いシイタケ菌糸体を配合した健康食品がすでに製品化されています。シイタケ菌糸体はそのままでは摂取しにくいものですが、その栄養分を凝縮させたエキスを加工すれば飲みやすくなります。粉末などの形に加工されたシイタケ菌糸体を摂取することによって、食事では得られない栄養分を吸収することができるのです。シイタケ菌糸体にはβグルカンと呼ばれる物質も多く含まれています。βグルカンはアガリクスや霊芝が多く持っている多糖体で、やはり免疫力を刺激する作用を持ちます。巨大分子のため腸では吸収されませんが、通過する際に腸内の免疫細胞を刺激して全身の免疫力を高めてくれるのです。最もありふれたキノコと思われていたシイタケにも、普段食用としていない部分に貴重な成分が残されています。食用にならなかった部分に着目し、健康食品として製品化した技術の進歩には目を見張るものがあります。免疫力アップはがん対策ばかりでなく、さまざまな病気予防にもつながるのです。